旭川医大医学奨励賞
今日、さっき、うちの旭川医大の同窓会主催の、医学奨励賞というものの授賞記念講演というのがあり、旭川医大生理学教室の准教授である高草木先生が講演されました![]()
同じ大学で、先生と同じ神経生理学を志しながら、今まで具体的な仕事内容や業績についてあまり知らなかったので、良い機会でした。
僕が神経生理をやろうと考えたのは5年生になったばかりの頃で、それまで講義もろくに聞かず部活に没頭
していたため、恥ずかしながら最近まで、同じ学内に電気生理で仕事している人がいることすら知りませんでした
5年生の終盤にやっとそのことを知り、その後挨拶程度にお話することはできましたが、自身も臨床実習などで徐々に時間が削られてくる中、あまり研究室に行くタイミングもなく時間が過ぎてしまいました![]()
高草木先生はちょうど僕の産まれた年(1984年)に大学院生となり、研究をスタートされ、25年間、一貫して筋緊張の神経メカニズムを研究されてきたそうです。今回の講演では今までの研究の体系と主要な成果、今後の展望について語られました。恐らくほとんどの聴講者が専門家でなかったため、実験についての詳しい説明などは無く、質問などもありませんでした。
先生の研究は、筋緊張の神経メカニズムを解明し、筋緊張の異常による病態を解明することです。
Parkinson病(寡動、固縮、安静時振戦が特徴の神経変性疾患)とナルコレプシー(意識消失を伴わない情動脱力発作が特徴の睡眠障害)は、いずれも筋緊張、つまり筋肉のかたさが異常となっている病態です。筋肉のかたさのことを筋トーヌスと言いますが、Parkinson病においては筋トーヌスが異常亢進し、患者の体は固くなり運動障害がおこります。またナルコレプシーにおいては、笑ったときなどに急に筋トーヌスが低下し、体の力が抜け、その場に倒れてしまいます。
中脳にMLR(中脳歩行誘発野)と呼ばれる部位があり、ここが大脳基底核の制御を受けて運動に関わっていることが知られていますが、先生はこの腹側に筋緊張を抑制する領野(PPN)を発見し、それにより 基底核→MLR,PPN→脊髄→筋 というParkinson病の病態像をより詳細に記述するための知見を出されました。
またこの知見を生かし、工学領域の研究者と共同し2足歩行ロボットシミュレーションにこれらのパラメータを組み込み、実際に駆動させたところ、PPNのパラメータを変化させることにより種々の神経疾患における異常歩行を再現できることがわかりました。
このように先生の研究は、今まで筋緊張というのがどこの異常のことを指すのか定義されていなかったのを具体的に示し、診断や局所的な治療開発への可能性という点で素晴らしいと感じました![]()
今後、例えばこの筋緊張抑制系をコントロールする薬ができれば、歩行障害に有効な治療薬が開発されるかもしれません![]()
先生が講演の最後におっしゃった言葉は、長く研究をされてきたからこそ言えることで、とても重みがありました![]()
Scientistとしての、気迫を感じました。
『一つの事を、おもしろくなるまで続けなさい』
『真実はparadoxだ』 と。
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コメント
こんにちは!音と風です♪
ナルコレプシーのお子さんが以前入院していました。やはり、急に倒れこむようなことがあり、色々と大変そうでした。研究が進むといいなぁと心の底から思います。
‘一つの事を、おもしろくなるまで続けなさい’という言葉は、・・・・・とっても心に響きました。深みのあるお言葉ですね。
おもしろくなるまで・・・。
そうですよね~、本当に「まで」が大事ですよね。
がんばりま~す!
投稿: 音と風 | 2008年10月10日 (金) 22時35分
>音と風さん
こんにちは
僕はナルコレプシーの脱力発作はビデオでしか見たことがありませんが、大変そうですよね

特徴的な疾患ですし研究されてる方も多いでしょうから、近い将来、治療法も見つかってくることを願いたいです
近頃、『仕事がつまらない』とか『自分には向いてない』って言って、1年も働かないで簡単に仕事を辞めてしまうような人が多いですが、そういうのを聞くと、なんか残念な気持ちになります。
『どの道を選ぶかじゃなく、選んだ道でどれだけやるか』が大事だと思います。僕だって、今進もうとしている道が一番いいかなんてわからないし、たぶんもっといい道もあるでしょうが、少ない知識でも精一杯考えて選んだ道だから、一生やり通したいなと思っています
今、周りの同級生も、病院決めるのにいろいろ悩んでますが、進む先で精一杯頑張って輝いて欲しいです
投稿: atsushi | 2008年10月11日 (土) 00時29分