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2008年10月の投稿

図書館

さて、卒試と院試まであと1週間になりましたsweat01
毎日図書館で缶詰状態で勉強しています。

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院試は、英語と生物と面接。
面接ではきっと、志望動機とか聞かれると思うのですが、何を言えばいいのかな〜typhoon
きっと1時間くらい語れば伝わると思うんですがbeer、短くまとめるのは難しいです。
博士課程への進学の是非についてvikingさんがblogで書いてらっしゃいました(リンク→PhD; do's and dont's)。
同じく博士課程への進学をどうしようか考えている人たちに一読おすすめします。

僕の場合、志望動機は、『知りたいことがあって、それを自分の力で解決したい』っていうだけですね。そのためのテクニックを身に付ける場が今のところ大学院以外に見つからないもので。

医学部って、特殊な場所で、他の学部と比べ、就職に困るということがほとんどありません。勤め先も、診療科も、ほとんど自由に選べます。
その上、どこに行っても、給料は良いし、バブル期を彷彿とさせるような(?)ものすごい接待や勧誘を受けます。休みが少ないという欠点はありますが。

当然、給料や接待、職の安定性etc.で圧倒的に待遇の悪い基礎研究を志望する学生はほとんどいません。
全国でも1%切るくらいじゃないでしょうか?
高校卒業のときは少なくとも偏差値が高かった人たちなのに、研究する人が少ないのはもったいない気がします。

医学部の教育は、本当に飼い殺しです。2、3年あれば覚えられることをダラダラと6年間かけてやり、考える力はどんどん失われていきます。

医者の仕事はとても尊く、素晴らしいものだと思いますが、なぜこれが理系の学生がやる仕事なのか理解できません。必要なのは数学や物理の知識よりむしろcontextを読む力であったり、英語の文献をあたる語学力であったり。高度な仕事内容は、99%、働き出してから身に付けるものです。これは、学生時代の知識より、むしろ仕事場でのコミュニケーション能力が問われるところです。一概には言えないですが、文系の学生が進むほうが適した職業だと感じます。

優秀な人材が研究のほうへ流れてくる仕組みが必要だと思います。やっぱり給料があがるしかないのかもしれないですが…

僕が初めて研究室に見学に行ったとき、そこのスタッフの人に『なんで研究やりたいの?研究者になりたいから?』と聞かれ、驚いたのを覚えています。
だって、医学部には『研究者という肩書きに憧れる』なんて風潮は全くありませんから。
他の学部では、研究も職業の一つとして選択されたり、あるいは単なる就職の手段として使われたりしている現状も後で知りました。


図書館に毎日いるので、何となく哲学の本を手に取ることがあります。
最近で一番心に残ったフレーズを紹介します。

“All science is either physics or stamp collecting”
                                            ~Ernest. Rutherford~

Tim Craneという哲学者の“The Mechanical Mind(心は機械で作れるか)“という本で引用されていた、ノーベル化学賞受賞者で原子の研究で有名なラザフォードの言葉で、『全ての科学は、物理学に還元されなければならない』の意だそうです。

物理学こそが唯一の学問であり、その他は単なるデータ収集の手段にすぎず、それぞれの分野における法則は物理学の法則から演繹的に導出され得るものである、と。

物理以外も、しっかり頭使って考えないと全然出来ないので、切手収集と言ってしまうのはいかがなものかと思いますが、ある意味では的を射た言葉だと思いました。

哲学って、中途半端では、単に問題を複雑にこねくり回して、聴衆の不安を煽り、真実からどんどん遠ざかっていってしまいます。インチキ宗教なんかいい例ですね。
でも、本当の優れた哲学者は、思想だけで真実を的確に捉えて行く。
優れた科学者は、同時に優れた哲学者です。
人間の考える力は本当にすごいと思いますconfident

そういえば化学賞といえば、先のノーベル化学賞受賞者の下村さんに関するThe Japan Timesの記事で、"third japanese researcher received novel prize in this year"というかんじで紹介されていて、おかしいなと思ったら、物理賞の南部さんはアメリカ国籍なんですね。
たぶん記事を書いたのがアメリカ人なんでしょうが、少し寂しい気持ちになりましたtyphoon

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人は死んだらどうなるんだろう

もしかしたら、誰でも一度くらいは考えたことがあるかもしれません。

僕は中学校2年生のころ、図書館で立花隆さんの『臨死体験』と『脳死』を読み、このことについて考えるようになりましたtyphoon

今自分が確かに持っている意識、そして確かに感じているこの世界、これがある瞬間を以て失われるなんて信じられないですし、怖くて信じたくもありません。

だからこそ人は、魂の存在や、死後の世界、幽体離脱などの話に惹かれるのでしょうlibra

最近、たまたま友達と死について話す機会があって、久し振りに死について考えました。

思えば、僕が脳科学に興味を持ったのは、この疑問を持ったことが最初でした。

中学生の僕は、きっと、この考える主体としての魂は、脳を介してはいるけれど、脳が全てではないはずだと考え、しかし同時に、その理解のためにはまず脳の機能を知ることが必要だ、と考えました。

今でもそんなことを言っていたら、先生方に怒られるでしょうねsweat02

でも、正直今でもまだそんな風に思っていたりします。

だから、自分で脳を研究して、それで脳が全てなのか、そうじゃないのか、知りたいです。

こんなこと、面接ではとても言えない気がしますがsweat01


ある人が周りの人の脳内神経ネットワークの一部を可逆的に変化させ、それが意識に昇るかどうかにかかわらず、情報として蓄えられ、その人の死後も周囲の人の脳内変化は存在し、周りのネットワークの変化によって相対的に変化していく。

意識の定義が仮に脳内に限定されなければ、このような変化も故人の意識の延長と捉えられるのではないでしょうか?

意識の問題には、まだまだブレイクスルーが必要だと思います。

もし今ある物理法則を覆す必要があるならば僕には手に負えないですが、別にその必要はないだろうし、きっと同じ電気活動のデータをとるにしても視点を変え、計測する対象を変え、解析を変え、と。

昔々、地球は平面であり、宇宙の星は天に昇った神々の魂とされました。

時が流れ、かつて平面だった地球は球体となり、宇宙の星々の化学組成や軌道の数学的法則も分かってきました。

しかし、地球は今でも変わらず偉大かつ壮大であり、星の美しさや神秘も変わりません。

きっと、意識の問題が解決されても、それはやはり壮大で神秘的なものであり続けると思いますshine

今回、自分が少し忘れかけていた、最初に疑問に思ったことを再確認したかったので、書きましたtyphoon

妄想ばかり書いてしまいました。少しは科学的なこと書けるようにならなくちゃダメですね。
早く研究したいものですsad

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ノーベル賞!

神経科学から話がそれますが、今年のノーベル賞は日本人がたくさん受賞して話題になっていますねflair

物理の南部さん、小林さん、益川さんが素粒子研究で、今日のニュースでは化学の下村さんがGreen Fluorescent Protein緑色蛍光蛋白)の研究で受賞されたそうです。

GFP発現遺伝子を標的遺伝子と同じベクターに組み込んでクローニングすれば、標的タンパク質が正常に発現したかどうかを、緑色の蛍光が光っているかどうかで確認することができます。GFPは僕も学部の実験で使ったことがあるほど身近な物ですが、日本人の方が開発に関わっていたというのは驚きでしたsweat01

物理賞の受賞理由となったクォークについては、6種類あるらしいというのは耳にしたことがありましたが、正直ほとんど何もわかりません。。ただ、やはり量子力学がすごく注目されているってことだと思うし、実際量子力学の、対称性とか特殊な法則の話は、聞いているだけでわくわくしてきます。物理や数学で仕事をする人は、本当に努力家で頭のいい人じゃないと無理だろうな、と感じますし、自分には到底無理と感じますが、大好きな分野なので、試験勉強が一段落したらなんかの入門書でも読んでみたいです。

受賞者の中で、益川さんだけが、「あまりうれしくない」とクールな会見をしたというのが今朝の新聞に書いてありました。

記者の人たちは、「そんなはずはないだろう」といろいろ言い回しを変えて質問して、今日の会見後の報道では「そう言っているけど実は嬉しがっている」というような書き方をしていますが、僕はなんとなく「あまりうれしくない」と思う気持ちに共感できる気がします。

益川さんはきっと、純粋に真理を追究することが目的であり生きがいなんでしょうね。「嬉しかったのは自分の仮説が証明されたとき」「恩師である南部先生の受賞がいちばん嬉しい」という言葉に益川さんの科学者としての心意気が表れている気がします。

また、こういうことを、本当にノーベル賞もらってから言えるっていうのがすごいと思いました。

北海道はだいぶ寒くなり、もうストーブ無しでは寝れなくなってきました。

最近はほとんど1日中、学校の図書館で勉強しています。

試験まであと1か月、なんとか乗り切りたいですrock

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旭川医大医学奨励賞

今日、さっき、うちの旭川医大の同窓会主催の、医学奨励賞というものの授賞記念講演というのがあり、旭川医大生理学教室の准教授である高草木先生が講演されましたcancer

同じ大学で、先生と同じ神経生理学を志しながら、今まで具体的な仕事内容や業績についてあまり知らなかったので、良い機会でした。

僕が神経生理をやろうと考えたのは5年生になったばかりの頃で、それまで講義もろくに聞かず部活に没頭runしていたため、恥ずかしながら最近まで、同じ学内に電気生理で仕事している人がいることすら知りませんでしたsweat025年生の終盤にやっとそのことを知り、その後挨拶程度にお話することはできましたが、自身も臨床実習などで徐々に時間が削られてくる中、あまり研究室に行くタイミングもなく時間が過ぎてしまいましたtyphoon

高草木先生はちょうど僕の産まれた年(1984年)に大学院生となり、研究をスタートされ、25年間、一貫して筋緊張の神経メカニズムを研究されてきたそうです。今回の講演では今までの研究の体系と主要な成果、今後の展望について語られました。恐らくほとんどの聴講者が専門家でなかったため、実験についての詳しい説明などは無く、質問などもありませんでした。

先生の研究は、筋緊張の神経メカニズムを解明し、筋緊張の異常による病態を解明することです。

Parkinson病(寡動、固縮、安静時振戦が特徴の神経変性疾患)とナルコレプシー(意識消失を伴わない情動脱力発作が特徴の睡眠障害)は、いずれも筋緊張、つまり筋肉のかたさが異常となっている病態です。筋肉のかたさのことを筋トーヌスと言いますが、Parkinson病においては筋トーヌスが異常亢進し、患者の体は固くなり運動障害がおこります。またナルコレプシーにおいては、笑ったときなどに急に筋トーヌスが低下し、体の力が抜け、その場に倒れてしまいます。

中脳にMLR(中脳歩行誘発野)と呼ばれる部位があり、ここが大脳基底核の制御を受けて運動に関わっていることが知られていますが、先生はこの腹側に筋緊張を抑制する領野(PPN)を発見し、それにより 基底核→MLR,PPN→脊髄→筋 というParkinson病の病態像をより詳細に記述するための知見を出されました。

またこの知見を生かし、工学領域の研究者と共同し2足歩行ロボットシミュレーションにこれらのパラメータを組み込み、実際に駆動させたところ、PPNのパラメータを変化させることにより種々の神経疾患における異常歩行を再現できることがわかりました。

このように先生の研究は、今まで筋緊張というのがどこの異常のことを指すのか定義されていなかったのを具体的に示し、診断や局所的な治療開発への可能性という点で素晴らしいと感じましたup

今後、例えばこの筋緊張抑制系をコントロールする薬ができれば、歩行障害に有効な治療薬が開発されるかもしれませんsandclock

先生が講演の最後におっしゃった言葉は、長く研究をされてきたからこそ言えることで、とても重みがありましたthink

Scientistとしての、気迫を感じました。


『一つの事を、おもしろくなるまで続けなさい』

『真実はparadoxだ』 と。

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